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山内若菜氏作品展<事務所代表 森のfacebookより転載>

Date:2019/05/23

※事務所代表 森のfacebookより転

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以前から気になっていた画家・山内若菜氏のグループ展「実在派第55回展」を参観した。

フェイスブックで見かける作品は、独特の存在感を放ち気になっていた。

今日が初日で運よく在廊されておられ、しばらくお話しすることがかなった。

作品はいつも悲しく虚ろに見える。

未来を失った哀しみが漂っているようだ。

哀しみや苦難をキャンバスに切り取ることは困難の極みだと思う。豊かな感性のもとに描かれた作品は、人々の共感を得る力が溢れている。

だが、私は其処に立ち続ける気にはならない。

人は未来がなくては生きていけない。

たとえ失われる明日であったとしても、人に寄り添う作品でなければ共に住まうことは出来ないと思う。私は時間をともにしたいとは思わない。

今日展示会に足を向けたのは、山内氏がいくつか紹介した小品の作品を見たからだった。

掌におさまるほどのサイズだが、これがとても良い。

茫漠とした原野に小さな家がたたずみ、冬枯れた木々が立ち尽くしている。

小さな家の脇に人影が見える。

いや、私が人影としたいのかもしれない。

確かに人の息遣いを感じるからだろう。

この作品群には、人々の原風景を去来させる何者かを描き込んでいる。

山内氏自身の原風景が描かれているような気がしてならない。

 

3.11福島へのオマージュ「海」と「大地」の存在感は素晴らしい。

だが、福島の人々の視線の先には既に未来が始まっている。そこに留まってはいられない。福島のその時ではなく、それからを私は見たいと思った。

 

幸いにも気にいった作品を譲っていただいた。

机の棚に飾り、読書の友になるだろう。

 

来月、横浜で展示会があるという。

訪ねてみようと思っている。

 

実在派第55回展 5月13日~19日

NVDA VERITAS 2019 宮崎優子+山内若菜

 

 

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<スタッフ後記>

写真を見ているだけでも、心が伝わってきます。

「ここで立ち止まりたくない、歩き出したい」というところまでが作品である、という感じがしました。