船越保氏<事務所代表 森のfacebookより転載>
※事務所代表 森のfacebookより転載
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昨日、お茶の水で始まった船越保氏の個展を訪れた。
「祈り・愛らしい土の形」を題した個展である。聖橋から少し下り大学街の少し奥まった場所だ。
以前からフェイスブックで花と器の写真が素晴らしく気になっていた。
先回、八丁堀の「pragmata gallery」を訪れ、個性の強い作品群に目を奪われていたのだが、片隅に幾つか土偶が座っていた。素朴な姿に魅かれてしまった。
今回の個展は花器と共に、土偶をこえ素朴な祈りに満ちた仏像が主題であった。
昔、大地に向かいあっていた人々のすぐ側にあった神仏への祈りがここにあった。
生かされてある自らを神仏に祈る日常がここにあるのだ。
船越氏の作品には、祈りと云うぬくみを持つ温石のように思えてならない。
会場でずっと気になっていた作品がある。
方形の河原石に指に似た仏が立ち、起立しながらも優しい姿があった。
そう、存在の究極の姿を追ったジャコメッティ―なのだ。
古人の心の底に座った祈りの温石のように思えてならない。
聖橋からギャラリーへ向かう途中、砂漠の向こうに居る安部からメールがきた。
「トルファンにいます。暑い!! 高昌古城、素晴らしい」
何時ものごとくそっけない。
元気だ。それだけで十分ではある。
ただ、安部は仏を追いシルクロード・天山南路を西に向かっている。
そして、私が向かったギャラリーには、西域から渡来し人々に灯した祈りが素朴な仏の姿となって現れた。
奇縁を思わずにはいられなかった。
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<スタッフ後記>
以前記事でも触れていたジャコメッティ―。
その雰囲気を確かに感じます。