puragumata 船越保氏個展<事務所代表 森のfacebookより転載>
※事務所代表 森のfacebookより転載
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先日、他用もあり銀座から八丁堀の「pragmata gallery」を訪れた。
Facebookで拝見する船越保氏の花器と草花が美しく気になっていた。
八丁堀は以前仕事の縁もあって何度か訪れている。
時間が止まったような街並みが裏道に続く。その一角にあるギャラリーは昭和の時代を感じさせた。
狭い入口からところどころ欠けた階段を上り、時間にくすんだ壁は向こう側へ潜り込んでいくような感覚を起し、なんとも楽しい。
展示の写真はない。
作品を言葉で説明するのは難しい。
だが、船越氏Facebookの写真から何時も浮かぶ風景がある。
幼いころ母の帰省で訪れた鹿児島桜島の山裾に続く溶岩である。荒れ果てた大地に溶岩が漆黒に起立し荒涼としていた。
南国の焼け付くような日差しの遠くそのはざま、細い枝の先で花が咲いていたのだ。
つつじの赤く、そして白い花が少しばかりの緑葉を従えていた。
船越氏のうつわと生花から、いきいきとした命の風景として浮かぶのだ。
作品は強い個性があり、半端な空間を嫌っているように思える。
だが、路傍に座ればそのまま自然となる。
自然そのものを切り取った作品なのだと気が付いた。
そう考えながらの帰り道、春はいまだ明るかった。
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<スタッフ後記>
品の世界へと没頭してしまう特別な空間。
ギャラリーでの展示は味がありますよね。