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長崎の再会に(4)<事務所代表 森のfacebookより転載>

Date:2018/10/11

※事務所代表 森のfacebookより転載

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坂道に戻り少し歩けば、まだ新しい赤レンガの道へ出る。

黄色のコスモスが掌を大きく広げるように咲いている。住宅街への道のようだ。

小道も尽きて戻り道、南山手レストハウス脇から延びる石畳の坂に、先ほど見かけた猫が私を待っていた。

私は後を追うように石段を登り、レストハウスの上に出た。

屋根の向こうに長崎の海が見える。

さらに先には使い古された小道沿いにブロックの壁が続く。

捨てられ荒れ果てた宅地の跡が空を広くしている。

突然、突き当りの家から郵便配達の制服が飛び出し、私の脇を駆け降りてゆく。

小道の先にも人の住処があるのだ。

突き当りから左に折れると古い石段が、さらに上に伸びている。

この先は天国へ続く階段に思えてきた。

石段の尽きる踊り場は、両脇の玄関の前に座っている。

確かに人の気配がただよっていた。

大浦天主堂よりはるかに天国に近い場所ではあるのだろうが、不便を楽しみとして生きる外ない聖地である。

この聖地に信仰を持たぬ者の居場所はない。

下り進む石段は、降りるたびに思い出の小石をポケットに忍ばせてくれる。

安部と取材チームに合流する雲仙へ向かう。

長崎駅前のバスターミナルに人影もまばらだ。

小雨は上がってはいる。

だが、ときおり吹き抜ける風は台風の気配を漂わせていた。

-続く-

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<スタッフ後記>

森の切り取り方が上手いのか。はたまたこの土地の魅力がそうさせるのか。

映画の中にいるような感覚を覚えます。

高低差がある中で、森の運動量にも脱帽です。