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江上茂雄:風景日記<事務所代表 森のfacebookより転載>

Date:2018/07/23

※事務所代表 森のfacebookより転載

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7月15日 

「江上茂雄:風景日記・武蔵野市立吉祥寺美術館」を参観した。

NHK日曜美術館アートシーンを何気なく見ていると、江上茂雄の展示会が紹介された。

作品「風景習作」印象は強烈だった。紹介を聞いていると17歳での作品であり、さらに水彩だという。


一瞬の印象で見に行くことを決めた。

会期も残り僅かであり、翌日の予定を変更し真直ぐに向かう。

吉祥寺の街は華やかな若者の街との印象である。だが、若いころから縁がない。

 

この美術館は商業ビルの最上階にあり、迷った末にようやくたどり着いた。

エスカレータを上がると直ぐに「風景習作」があった。チケットカウンターに並んだ壁面から展示されているのだ。


「風景習作」水彩 雨上がりの街角の店頭に暖かな電灯が灯されている。路面へ反射した灯りが夜の帳の向こうに人々の息遣いが漂っている。17才の感性に驚かされた。


「雨の曇り日Ⅱ」クレヨン 何時もは明るい有明海が雲に覆われ重い碧が重い。遠い西の空から晴れ上がり始めている。干潟の小屋が芳醇な海を感じさせる。この絵はクレヨンなのだ。多色を厚塗りされた画面には凹凸が生まれ海の陰影が深く感じられる。何度も振り返る作品である。


「夏陰の小道」クレパス 真夏の深い緑の道は命が溢れ息苦しくさえ感じる。真夏の強い日差しが零れている。焼け付くような日差しの下、走り回った夏休みの一日がよみがえる。


「線路際」クレパス 春の日差しがなんと優しい。線路際に広がる菜の花だろうか、一面に浮き立ち心が満たされていく。


「竹林 二月」クレパス 寒々とした厳冬の林が広がり、野原の雑草も枯れ剥き出しになった山肌には、春の気配はまだ遠い。だが、土の匂いは消えてはいない。春を待つ山肌が懐かしい。


「林泉紅葉」クレパス 秋の紅葉が泉に映り込み、赤のコントラストが幻想的だ。


「倉庫の前」水彩 何気ない街角の風景だが、壁際に放置されたドラム缶や壁に書きつけられたピンクの広告などが印象に残る。


「無題・廃屋の風景?」水彩 かつて見たような心象風景なのだ。朽ち果てたドラム缶や赤い色を残した

機材が風景にアクセントを生んでいる。なんだろう?この懐かしさは・・そう思いながら見ていた。

会場の解説に、江口氏が好んだ画家の名があった。

 

佐伯修三氏である。私も一番気になっている画家である。彼の幾つかの作品が強く印象に残っている。

幾つかの水彩画がその感覚に似ていた。

いつか佐伯修三氏について書いてみようと思っている。

ともあれ、江口茂雄氏のクレヨン・クレパス画には、圧倒的な存在感がある。

機会があれば参観される事をお進めする。

絵画について学んだことなど無い。

だが、知らないと云うことは全てが新しい出会いである。

次の出会いを楽しみにしている。

 

武蔵野市立吉祥寺美術館

 

 















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<スタッフ後記>

自分が幼稚園、小学校時代に扱っていたクレパスで描かれているとは、

およそ想像できない精緻で鮮やかな色使いです。

どんなものでも、その道のプロの手にかかれば一番の輝きを発揮するのですね。