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金沢再訪、初夏に空高く(4)<事務所代表 森のfacebookより転載>

Date:2018/05/25

※事務所代表 森のfacebookより転載

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階段は森へ続き、勢いよく流れ落ちる流水に日差しが輝いている。滑り落ちる水音が心地よい。

手すりに導かれゆっくりと踏みしめながら登った。息が上がるが、振り返り脇見をしながら進む。
駆け上がれば僅かな階段も、椿の花を見つけるほどの世界があるのだ。そう意地をはり、登りきって階段と水路を見下ろす。
新緑と木漏れ日に目を奪われ、苦労した階段も初夏の日差しに揺れている。

振り返る眼差しはいつも同じに懐かしい。

回廊は横に伸びて、水路は右手から勢いよくながれ来ている。

正面に県立美術館がある。大きなガラス窓のレストランは木々の陰に涼しげだった。

ひと休みしてコーヒーをと思いながら、つい隣のテーブルに合わせてロールケーキに手を出した。

以前は甘いものへの執着は無かったのだが、たばこの寂しさを言い訳に手を伸ばす頻度が増えてきた。

以前の体型は遥か彼方に消えてしまった。

美術館の裏口から水路をたどり、芝生の広場へ出た。

芝生の向こう、晴天の青い空に赤レンガの建物が鮮やかに座っている。

明治期の陸軍兵器庫、戦後は金沢美術工芸大学に使用されていたらしい。現在は博物館としていかされている。
赤レンガの趣が懐かしさと暖かさを残している。

この一画に「加賀本多博物館」がある。
安部がこの博物館で本多政重の「大十文字槍」の凄みに驚ろかされ「生きて候」という作品が生まれた。

うれしいことに、博物館入り口に著書の写真が飾られていた。
かの有名な5万石と引き換えたとされる「村雨の壺」など貴重な資料や遺品が展示され興味深かった。

兼六園脇の坂道を下りながら、都市の中心に緑深い公園や街路樹の新緑が鮮やかな町並みに金沢の奥深さを感じていた。

 

加賀本多博物館

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<スタッフ後記>

素敵な建築物と甘いロールケーキについて話していたと思ったら

次の瞬間には書籍の紹介をしている。

森の敏腕代表ぶりには脱帽です。