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洛西・春の訪れ(完) <事務所代表 森のfacebookより転載>

Date:2018/04/20

※事務所代表 森のfacebookより転載

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4月15日 
-洛西・春の訪れ-(完)

大原野神社まで戻るとすぐにタクシーに出会えた。運転手の方に洛西竹林公園と告げると、良いところですねと心地よい返事があった。
ただ、来園者が少ないので帰りは歩きになるという。そぞろ歩きも悪くないかと気にもしなかった。

この公園を知る切っ掛けは、フェイスブックからだった。投稿の写真に洛西の竹林が心地よく切り取られていた。

京都の古刹の桜や紅葉も美しい。しかし、京都には竹林が一番似合うと私は思っている。

大昔、あいにく梅雨の時期だったが嵯峨野の道を、傘を片手に散策した。竹林の小道から大河内山荘へ向かうつもりだった。
小雨の中、行きかう人もなく静けさを楽しんでいた。

竹林の小道へ曲がると、背の高い真直ぐに伸びた竹がサワサワと鳴いている。

見上げて驚いた。小雨は竹の葉を伝い竹の緑を際立たせ青々と輝いている。若い竹も産毛に滴がまとわりつき輝いていた。
萩原朔太郎の「竹」という詩を思った。以来、小雨の時には嵯峨野の竹林に足を運んだ。

竹林公園に人影は殆どいない。満開の桜に人は向かったのだろう。洛南の大地に広がっていた竹林の丘を整備し公園としたのだろうか、
多様な竹が美しく手入れされていた。

無人の小道を抜けると、見事な桜が小山の奥に咲き誇り、遥か向こうの長岡京が霞んでいる。

さらに行けば桜が竹林の中に立ち、竹の騒めきと共に風にゆれている。花はまだ若く枝に留まっていた。

小雨の降る日か雪の頃、もう一つの竹の表情を観に来たいと思った。

閉館時間が迫る頃、南門の坂道を下った。

切通の上の桜と竹林が大きく揺れている。別れを告げているようだった。

甘く考えた帰り道、JR向日町までの見放された散歩は遠すぎた。

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【スタッフ後記】

代表の森はフェイスブックの使い方がとても上手いといつも感じています。

インターネットの情報の波の中から、上手く必要な情報を救い上げていて

私のような20代の若造より、ずっと有益な活用の仕方をしていると感じます。