洛西・春の訪れ(4) <事務所代表 森のfacebookより転載>
※事務所代表 森のfacebookより転載
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4月14日
-洛西・春の訪れ-(4)
桜の花道から灌木と竹林の隧道に潜り込む。坂道には桜の寺への往来がふえてきた。
突然、背後から春風のように子供らが駆け降りていった。眩しく背中を見送った。
数年前の発病以来、急ぎ足さえ叶わなくなった。元来運動が得意ではなく歩みも人並み以下ではあったのだが、散策に頃合となってしまった。おかげで、爾来見えなかった風景や囁きが聞こえてきた。
もって慶賀すべし、と云うことにしてはいる。
参道沿いの竹林が深くも浅くも途切れずに続き、サワサワと騒めいて木漏れ日が揺れる。
大原野神社から登り来た脇道を過ぎ、古色にあせた朱色の仁王門が見えた。枯れた阿吽の仁王が立っている。振り返り、改めてご挨拶させていただいた。
田植えの前の水田に、春の日差しに耕され蓮華の花も未だ見えない。少し下った先に小川があり、朱色の極楽橋を渡り西法寺へ向かう。
洛西の白砂に浮かぶ名庭園と仄聞し訪れた。だが、当日の参道は工事に荒れ、風に砂埃が舞い目を細めて参道を行く。大きく座った遍照塔の朱色でさえ埃に白んでいた。
境内に入ると、白砂に整えられた庭が続く。東山連山を借景にした岩と白砂の宝生苑は、一部の隙もなく整えられている。お堂に座り、しだれ桜が薄桃色にゆれ、背後に遥々と広がる京都の空が透き通るように青い。
だが、風景は何処か乾き心をひも解く潤いを失わせた。
雪の頃、庭石に雪が積もり木々も寒々と立ち尽くしている風景を広げてみた。この庭は雪が似合う、そう思った。
散策の最後に、昨年から訪れたいと思っていた「洛西竹林公園」へ向かった。
-続く-
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【スタッフ後記】
子供たちの元気さには、年々その力強さに対する畏怖の念が強くなってきています。
私もできる限り、自分の足でいろいろなものを見て歩けるよう頑張りたいものです。
竹林と庭園も見事です。