鹿児島訪問
※事務所代表 森のfacebookより転載
-------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
3月3日
九州文化協会様からのご依頼で「九州芸術祭文学賞・表彰式」での講演にお招きただいた。
会場は鹿児島市民文化ホールである。鹿児島空港からリムジンバスで市内へ向かった。
市内へ到着するころから驟雨が始まり、乗り換えたタクシーが会場へ到着するころは強風も伴う南国のスコール状態である。
これでは来場者の足が止まるのではないかと心配せずにはいられなかった。
今回、急遽同行する事にしたのは、母が薩摩川内市の出身であり私自身も子供の頃何度も訪れていたからだった。
鹿児島市とはかなり離れた場所であるが、親不孝を続ける私の遠い故郷でもあるのだろうか、鹿児島と聞くと川内川が懐かしく思い出される。
さらに、主治医から3月頃と聞かされていた手術の予定が、昨年末の定期検査が良かったのか、5月後半に伸び時間を得たからだった。
心配した会場は来場者で満席であり、熱気と騒めきがあふれていた。
今年は文学賞大賞者はなく、佳作賞などの表彰が粛々と行われた。
休憩後、安部の講演が始まる。だが、当初予定していた演題「戦国とその時代」から「歴史小説の可能性」と変更させていただいた。
今回の表彰式には、表彰された方々もふくめ小説家を目指す方々が多数来場されておられる。普段は聞くこともない安部自身の小説家としての苦労や歩みなどをお話しさせていただいた。
講演後の質問では、執筆されている方からの具体的な質問や方法論など、講演会ではあまり聞かれない質問があり、真摯な姿に清々しさを感じていた。
会場を変えて行われた懇親会では、関係者の方々の慰労の乾杯で始まった。
歓談は受賞者など文学を研鑽される方々がテーブルを囲み、ひざ詰めで創作についてなどの質問が熱気を帯びていった。
熱心な文学談議が楽しい懇親会であった。
一夜明ければ、鹿児島の日差しが眩しく桜島を包んでいる。空港の青空の向こうには、霧島連山が遥かに広がっていた。
新燃岳が噴火したのは、帰京した数日後だった。
-------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
【スタッフ後記】
第一線で活躍している方の話を聞けるというのは、高みを目指すものからするととても魅力的です。
安部の講演から、次の創作に活かせる何かを掴んだ方がおられることを願うばかりです。