頭部像 御宿至氏
※事務所代表 森のfacebookより転載
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11月11日
「信長公紅葉祭り」で気分が高揚したまま、彫刻家の御宿至氏のアトリエへ向かった。
御宿氏のアトリエは祭り会場の富士宮近郊にある。
帰りに必ず立ち寄って、制作中の安部の頭部像を見て欲しいと連絡を受けていた。
私に是非とも観て欲しいとの要望である。
理由は、誰よりも安部の顔を見ていると云うものだった。
確かに、本人が鏡を見る時間より私が安部を見ている時間の方が各段に長い。
まあ、反対側で同じくという意見もあるが。
粘土状態ではあるが、先回の製作段階でみた時よりも格段に存在感が生まれていた。
右側から見る顔と左から見る顔が少し違う。
今回の像を左から見ると、安部が時折見せる口元に照れくさそうな表情がでていた。
十分に見飽きた顔だが頭部像になって初めて気が付いた。
写真は、先日近藤氏に撮っていただいたプロフィール写真の一枚である。
いかが?面影見えますでしょうか。
仕上がり時期は、聞かないことにしている。
芸術家の時間にお任せするしか方法はない。
昔、御宿さんにはヨーロッパ旅行の最後、イタリア・ローマで大変お世話になった。
当時、御宿さんはローマを拠点として制作活動を行われていて、アトリエへお伺いはできなかったが、気楽にお宅へ伺いご馳走をいただき、さらにはローマをご案内いただいた。
だが、東京に戻りプロフィールを見てイタリアで著名な芸術家だったのに気づき冷や汗が出る思いだった。
しかし、芸術家はここからが長い。そして、しつこい。
ちょっとこちらを向いて、頭を少し右に倒して・・。
マズイ!ポージングの指示が出始めた。今日はこれから、御宿さんも含め南部の奥山温泉へ向かい、翌日近藤正寛氏の写真展を参観し、「信長最後の富士遊覧」など取材かたがた南部から身延山へ向かう予定である。
慌てて、さて出発!と同行の皆さんと示し合わせ号令を発した。
あと、ここだけ・・。粘る芸術家に引導を渡したのは、世事に手慣れた私であったのは言うまでもない。
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【スタッフ後記】
プロの芸術家の方の技術はやはり凄まじいですね。
着色されていないのに、人間の生々しさを感じます。
本当に、瓜二つに見えます。