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原美術館

Date:2017/10/18

※事務所代表 森のfacebookより転載

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10月11日 品川での打合せの後、少し時間があった。

昼食の時間でもあり久しぶりに昔何度も通った「原美術館」へ向かった。

この美術館は、現代アートという当時の私にとっては理解不能の作品達が展示され、人影もない見事に静かな空間が用意されていたからだった。

さらに都会の真ん中とは思えないほど閑静な裏庭には、芝生にテーブルが並びレストランがあった。

若いころ仕事に追われて再三逃亡した場所であった。そう、20年ぶりの再訪である。

懐かしいエントランスへ向かうと、『田原桂一「光合成」with 田中泯』写真展とあった。

衝撃だった。モノトーンの写真に「生物」が放つ存在の叫びがあふれ出ている。

強烈な痛みとも、哀しみともつかぬ無音の叫びがフレームからあふれ出ている。

膝が震える驚きが会場いっぱいに広がっていた。窓から写り込む光と庭の緑に息をつぐ。

何故だろう。体中の皮膚から痛みが伝わりながらも、どこか懐かしい匂いがしている。

命の匂い・・だろうか。

二階への階段を踏みしめながら、写真に引きずられるように上った。

コンクリートのトンネルに立ち尽くした男がいた。一歩足を踏み出すかのように少しかしいでいる。

命の危うさと生きる魂魄が起立している。私は暫く立ち尽くしていた。

原美術館

ART-iT 『田原桂一「光合成」with 田中泯 @ 原美術館』

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【スタッフ後記】

作品から伝わるパワーに圧倒されてしまいます。

肉体の辛さや痛みというものを可視化しているようです。

原美術館のWebサイトも素敵でした。