MENU

最新情報

原美術館 レストラン カフェダール

Date:2017/10/20

※事務所代表 森のfacebookより転載

-------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

10月11日午後 

品川・原美術館で開催されていた『田原桂一「光合成」with 田中泯』写真展参観した。

写真展が目的ではなかったが、圧倒的な写真に昼食のことを忘れ立ち尽くしていた。

疲れ果て気が付けば、昼食の時間だったことを思い出した。お腹も足も悲鳴をあげている。

目的のレストラン・カフェダールの庭先のテーブルに座った。

昔と同じようにコースランチを頼み、広々とした芝生の庭に目を移した。

ウエーターが背後の室内に居るばかり、無人の空間を独り占めしている。

ここは平日の昼間の喧騒から遠く離れた場所。一人自由を謳歌できるオアシスだった。

携帯電話の糸がまだ絡みつく前の時代、企業戦士の隠れ家でもあった。

ただ、今日は写真フレームから溢れる何かに心が逆立っていて落ち着かない。

前菜からパスタを味わいながら、ようやく意識はそれぞれの写真を咀嚼し始める。

苦めのコーヒーを飲みながら、庭先に鳴く小鳥に気がついた。

動画で音をひろってみるが微かに入っているか、空が広いばかりだ。

パンフレットを広げ、写真展の表題「光合成」に目が行く。

田原圭一と田中泯との出会い「光合成」で生まれたものは何なのだろう。

田中泯の肢体から立ち昇る命のエネルギーと泡立つような皮膚と皺に刻み込まれた苦悩や痛み。

田原圭一が切り取った何者かが暴力的に立ち上がり、私という存在に問いかけている。

「お前は生きているのか!」

空腹や立ち尽くした足の痛みも一息ついた。

私はこの何者かに挑みかかるように階段を上った。

-------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

【スタッフ後記】

パスタがすごくおいしそう……。

展示との比較で、外とランチの景色がとても穏やかに感じられます。

『田原桂一「光合成」with 田中泯』は12月24日まで公開とのことです。