原美術館 レストラン カフェダール
※事務所代表 森のfacebookより転載
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10月11日午後
品川・原美術館で開催されていた『田原桂一「光合成」with 田中泯』写真展参観した。
写真展が目的ではなかったが、圧倒的な写真に昼食のことを忘れ立ち尽くしていた。
疲れ果て気が付けば、昼食の時間だったことを思い出した。お腹も足も悲鳴をあげている。
目的のレストラン・カフェダールの庭先のテーブルに座った。
昔と同じようにコースランチを頼み、広々とした芝生の庭に目を移した。
ウエーターが背後の室内に居るばかり、無人の空間を独り占めしている。
ここは平日の昼間の喧騒から遠く離れた場所。一人自由を謳歌できるオアシスだった。
携帯電話の糸がまだ絡みつく前の時代、企業戦士の隠れ家でもあった。
ただ、今日は写真フレームから溢れる何かに心が逆立っていて落ち着かない。
前菜からパスタを味わいながら、ようやく意識はそれぞれの写真を咀嚼し始める。
苦めのコーヒーを飲みながら、庭先に鳴く小鳥に気がついた。
動画で音をひろってみるが微かに入っているか、空が広いばかりだ。
パンフレットを広げ、写真展の表題「光合成」に目が行く。
田原圭一と田中泯との出会い「光合成」で生まれたものは何なのだろう。
田中泯の肢体から立ち昇る命のエネルギーと泡立つような皮膚と皺に刻み込まれた苦悩や痛み。
田原圭一が切り取った何者かが暴力的に立ち上がり、私という存在に問いかけている。
「お前は生きているのか!」
空腹や立ち尽くした足の痛みも一息ついた。
私はこの何者かに挑みかかるように階段を上った。
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【スタッフ後記】
パスタがすごくおいしそう……。
展示との比較で、外とランチの景色がとても穏やかに感じられます。
『田原桂一「光合成」with 田中泯』は12月24日まで公開とのことです。