立川生志落語会『ひとりブタじゃん』 / 『セピア色のヨーロッパ・2』
※事務所代表 森のfacebookより転載
-------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
6月15日 部員は文芸誌の締切りをなんとか乗り切り、伊豆の籠城ホテルから横浜にぎわい座へ向かった。立川生志師匠の落語会「ひとりブタじゃん」が興行される。立川師匠とは今年3月福岡市文化賞を同時に授与された時に知り合った。安部は落語好きでもあり、福岡の出身の方でもある師匠と受賞会場で話がはずんだという。ようやく念願かない生志師匠の落語を堪能したようだ。勢いあまって、打ち上げまで参加し大いに楽しんだそうである。そして、翌日には次の締切りが迫り、慌てて京都の仕事場へ資料をかつぎ向かった。締切りに追われた落ち着かぬ作家であることには間違いない。
「セピア色のヨーロッパ・2」
今更ながら表題を付ける。ご容赦!
空港からマドリッド・リッツにチェックインしたのは、午後おそくだった。ベッドに倒れ込んで服を着たまま熟睡した。空腹に起こされ、気が付くと日も暮れ始めていた。決めていたのは、夕食はマイヨール広場のBar(バル)へ行くことだ。どうやって広場まで行ったのかは覚えていない。賑やかなネオンなどない広場は夜の帳のなか窓々に灯りがともり、寒空の広場に暖かな潤いを漂わせていた。何件か覗き込み小さな立ち飲みのBarのドアを開けると、人いきれと大声の喧騒が降り注ぎ思わず後ずさりした。
慌てて曇った眼鏡を拭きながら周りを見ると皆飲んで食って笑顔があふれている。おまけに、足元にはピーナツの殻や煙草の吸殻、テーブル・ペーパーまでもが溢れていた。
そして、向こう側には憧れの生ハムの塊がカウンターに座り込んでいる。ビールと生ハムにバケット、魅惑の取り合わせをカウンターに並べ、ようやくたどり着いた喜びにビール瓶ごと傾けた。
明日の「ゲルニカ」に思いを馳せながら、喧騒と人いきれに汗ばんだ窓ガラスから星空が見えていた。
思い出しつつ・・続く。
(マイヨール広場・Barはイメージ)
-------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
【スタッフ後記】
執筆の合間を縫っての落語鑑賞。忙しい中でもインプットを欠かさない安部のバイタリティをは見習いたいものです。
「セピア色のヨーロッパ」と題された森の紀行文も、私のような若い世代の人からすると異国を知れる素敵なツールとなります。
次回も楽しみです。