徳島新聞投稿 / 随筆・小林秀雄
※事務所代表 森のfacebookより転載
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6月4日より四国・徳島新聞へ「家康・不惑篇」が連載開始された。先回自立篇からの連続掲載となる。
三方ヶ原の敗戦から再び立ち上がり、精強武田騎馬軍団との決戦へ挑む家康の苦闘と、その先に見た戦国の新たな狂乱の時代に、「欣求浄土」の旗が血に染まっていく。引き続きお楽しみいただきたい。
安部のデビュー時、最初の担当編集者だったS社の池田氏が、次回の担当編集者会へ特別参加されることになった。伝説の編集者池田氏はとてつもなく厳しい編集者だったと部員から聞いていた。普段のにこやかな顔が、詰まらぬ原稿を前にすると鬼に変わるという。部員が最も恐れながらも最も信頼する稀有な編集者だと聞いている。おかげで私まで池田氏の前では顔が引き締まる。その鬼編集者が直木賞受賞パーティーでは、何とも優しい満面の笑みで乾杯の音頭を取っておられた。
今は第一線からは引退されながらも、精力的に講演やエッセイを書かれていると聞いた。
Web連載されているとの情報に検索してみると、「随筆・小林秀雄」を連載されておられた。
http://kangaeruhito.jp/category/essayhideo
まったく、驚いた。
小林秀雄という名前は知ってはいたのだが、青春時代からいかに翻訳家、批評家として私の心を響かせる存在だったのか、初めて池田氏の随筆に気づかされた。
肌身離さず手垢にまみれた「ランボー詩集」。ゴッホやモネ、セザンヌなど印象派と言われる画家たちの出会いは、作品に触れる前に読んだ小林秀雄の「ゴッホの手紙」が始まりであった。
池田氏の随筆を読みながら、あの頃の遥か彼方への憧れや、焼け付くような喉の渇きが微かな痛みと共によみがえってきた。
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【スタッフ後記】
読書体験から広がる世界というのは、魅力的であり心に長く残るものだと思います。
代表の森は時間があるといつも本を開いて読んでおり、その姿を見るたびに
自分たち若い世代も、もっともっと本を読まねばと背筋が伸びる思いをしています。