港の見える丘公園から<事務所代表 森のfacebookより転載>
※事務所代表 森のfacebookより転載
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岩崎ミュージアムでのチェロ独奏が終わり、拍手が溢れた会場を後にした。
心に重い空間に疲れたのだ。
会場から傘を手に表に出ると、雲の切れ間に日差しがこぼれている。
向いの「港の見える丘公園」へ向かう。
公園の右手にフラワーガーデンがあり、花々が溢れている。小雨の後の花弁や緑の若葉に小雨のしずくが輝いていた。
晩春の緑の息遣いが、梅雨の肌寒い午後を緩めているようだ。
ベンチの雨を拭い、傘を放り投げて一休みする。
先程の二人展を振り返る。
素晴らしい作品展であった。
それは間違いないと思う。
「あの惨事を風化させてはならない」そう呼びかける声に違和感を覚えているのだ。
被災した方々にとって、それは違うのではないのか。
砕かれた岩を抱え込む人々にとって、悲しく尖った岩肌が柔らかな渚の岩へ、滲むような思い出が静かに発酵し懐かしさに変わる時間こそが大事なのではないのか・・
迷いの言葉をかさねてみるが、今は判然としない。
宮崎郁子氏と山内若菜氏、二人の今後の作品が、どのように昇華され人々に寄り添って行くのかを見守ってみようと思った。
梅雨の晴れ間の青空が、初夏の日差しに変わったようだ。
「NUDA VERITSU 2019・宮崎郁子+山内若菜」展
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<スタッフ後記>
岩崎ミュージアムの荘厳な雰囲気が、作品展の時間をより深く彩りますね。
雨上がりの日差しを反射する海がまばゆいです。