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夏の坂道<事務所代表 森のfacebookより転載>

Date:2019/04/01

※事務所代表 森のfacebookより転

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村木嵐氏「夏の坂道」を了読した。

村木嵐氏とは安部と葉室麟氏とのご縁がつながり、京都での等伯ツアー講演での「語り音」朗読会で初めてお会いした。

講演後、上七軒脇の小料理屋で村木さんや澤田瞳子さん、「語り音」の林さんや太田さんと一緒にぎやかに打ち上げ会をひらいた。シャイな性格なのか村木さんは会話に声をあげる事が少なかったような記憶である。


「夏の坂道」にそんな村木さんの強い声を聴いた。

南原繁の学者として教育者としての生きざまを丹念に描かれている。

戦争に向かう時代のなか何を語り続けたのか。

敗戦後の最初の東大総長として学生はもとより日本国民そして世界へ何を語りかけたのか。


南原はこう言っているように思う。

自らの正義により、他の正義を踏みつけてはならない。戦争に向かう時代、自らの正義を振りかざし他の意思を封殺した。暴走はここから始まったのだ。

正義の対岸にはもう一つの正義が必ずあるのだと私は思っている。

今、村木嵐氏が俯瞰する世界地図の中で南原繁は何処へ向かっているのだろうか。

 

「夏の坂道」という作品は、戦後の日本を鼓舞した司馬遼太郎氏や、人を慈しみ優しさを語った葉室麟氏に接し学んでこられた村木嵐氏の新たな境地を開いたように思う。

ご一読いただけたら幸いである。

 

「夏の坂道」潮出版社

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<スタッフ後記>

安部の多忙さはさることながら、

弊事務所代表の森も安部の執筆以外のフォローに大忙しな様子をよく目にします。

そんななか、いつも森の読書量は多く、自身との対比に恥ずかしくなることが多いです。