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顔真卿<事務所代表 森のfacebookより転載>

Date:2019/02/09

※事務所代表 森のfacebookより転

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東京国立博物館で開催されている「顔真卿 王羲之を超えた名筆」を参観した。
「祭姪文稿」(さいてつぶんこう)(台北・國立故宮博物院)を見たかったのだ。
唐帝国玄宗皇帝の時代、安部仲麻呂が宮廷で活躍していた時代である。安史の乱に一族を殺された顔真卿の慟哭の書だと聞いていた。悪筆を誇る私が書の展覧会に行くのは珍しい。
ゆえ、何の素養もない。
だが、「祭姪文稿」は、台湾・故宮博物館の門外不出の至宝だと聞いてはいた。以前、台湾・故宮博物館へ二度ほど訪れたたが、やはり展示されていなかった。
圧巻であった。
顔真卿の矜持と慟哭の揺らぎに溢れた筆が心を打つ。
「祭姪文稿」の展示の前だけは長蛇の列が続いた。周囲は中国か台湾かはわからなかったが中国語が飛びかい熱気がすごい。「祭姪文稿」を見るだけのために中国や台湾から来日される方もいると聞いた。この至宝が何処かで展示されるかどうかは分からないそうだ。
参観の後「雅楽リサイタル」をご一緒したイギリス系の中国人の女性からお聞きしたのだが、ご尊父がイギリスから「祭姪文稿」を見るだけのために来日されたそうだ。娘の顔を見ずあっという間に帰国されたそうである。娘はいつでも会えるが、「祭姪文稿」にはもう会えないと言われて、不承不承にも納得せざるを得なかったそうだ。
日暮れの博物館には照明が既に点灯されている。
早咲きの梅も闇に沈み、やはり冬の空は寒い。

特別展「顔真卿 王羲之を超えた名筆」
 

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<スタッフ後記>

森が訪れていなければ、自分だけでは決して出会うことのなかった展示だと思います。

パソコンもポールペンもなかった時代に、ここまで緻密かつ大胆に書を書いていた人々がいるということに

改めて驚いてしまいます。