つむぎプロジェクト Vol.4
「つむぎプロジェクト」 Vol.4
【安部龍太郎の和服制作・染め機を織る】
近隣から採取した南天。
漢方の薬効としては、滋養強壮、黄疸、喘息に。
主に枝葉を使用します。
アルミ媒染で柔らかな黄色や肌色を
鉄媒染で銀鼠から鼠色を。
以前、非常勤講師をしておりました際
立派な南天の幹を頂き、生徒がそれで銀鼠を染める予定でおりました。
私はいつものように煮出し、染色の指示をしたのですが
驚くべきことに、鉄媒染が効かないという事態に陥りました。
色素が濃い訳ではなく
色素が強い、とでも言うのでしょうか。
鉄媒染が効かない染料があるという話は聞いたことがなく
当時の私はただただその美しい色を前に、為すすべも有りませんでした。
鉄はタンニンに反応して発色するというのは周知の事実。
では南天の幹にタンニンは含まれないのか。というとそういう訳でも無いのです。
未だ謎は解明されておりませんが・・・
以後、南天を使用して鼠を染める時は
必ず枝葉を使うこと。
と固く心に誓ったのでした。
【Facebook 祈織-inori- @SAYAKAWATANABE.INORI 】
-事務所代表 森- コメント
南天染めの不思議、容易に理解できない不思議なお話です。自然の力に驚かされます。