金沢散歩・長町武家屋敷跡
※事務所代表 森のfacebookより転載
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2月26日
金沢散歩(1) -長町武家屋敷界隈-
昨日、薄く広がる雲に足もとの影さえ判然としない空が広がり、風もなく氷雪の塊が所々に冬の残痕を積み上げていた。何を思うにしろ、哲学館からの帰り道には冬の足跡が続いているようだった。
今朝、ホテルの窓を開ければ、底抜けの蒼天の空が広がっている。金沢という街の変わり身の早さか、眼前の街並から遥か先の山脈まで、呆れるほど透き通った風が吹き抜けていた。
久しぶりに金沢泊まりで、いまだ訪れた事のない「鈴木大拙館」や「21世紀美術館」など散策する予定でいたのだが、今日は月曜日・・休館日であった。
今回は方向を変える事にした。ホテルの観光案内を広げると、武家屋敷跡の写真に引かれた。
さて、今日はここから歩こうと決めた。
タクシーから降り立った街並には、大きな用水路が走りそれぞれの町家に向かい橋が連なっている。金沢は水が豊富と聞いてはいたが、澄んだ流れが朝のひかりに輝いていた。
武家屋敷跡「野村家」の門を潜り、雪を抱えた古木を過ぎ玄関に展示された鎧の脇を抜ければ、趣のある奥の間がある。さらに謁見の間を経て上段の間からは、手入れされた庭が座り、鯉も泳げるほどの曲水には軽やかな水音が聞こえる。
さらに奥の濡れ縁を進み石段を踏み上れば、階上に設えられた茶室があった。無人を良いことに、無粋な私も曲がらぬ足を投げ出して薄茶をいただいた。早春の日差しが仄々と差し込み、階下に広がる庭と水音に清々しさを感じていた。
仏壇の間からの戻りかけた先、小さな内庭には椿を添えた石の手水鉢から微かに水が流れ落ちていた。
清らかな水と贅を尽くした古都金沢らしい町家を暫し堪能した。
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【スタッフ後記】
場所は知っているが以外と訪れた事はない。そんな場所ってあるものです。
これから始まる森の金沢レポートは、わたしが初めて金沢へ訪れる際の
参考にさせていただこうと思います。