等伯忌
※事務所代表 森のfacebookより転載
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3月2日 先週の川井郁子さんのコンサートから、能登七尾での等伯忌から、連日の打合せから明日の鹿児島での記念講演の同行まで、極楽とんぼを返上せざるを得ずFbにコメントを出していない。
後追いながらも日々の感想を少しずつ書いていくことにする。
-2月24日-「等伯忌」
昨日の川井郁子コンサートの打ち上げを切り上げ、自宅へ戻り準備などで手間取り就寝したのが午前2時過ぎだった。今日の能登七尾での「等伯忌法要」開始時間に間に合うよう、早朝の新幹線に潜り込んだ。
宇都宮までは覚えていたのだが、気が付くと富山のアナウンスが聞こえた。楽しみにしていた新幹線から見る長野の雪景色は夢の彼方に過ぎていた。
安部は、締め切りに追われ京都から金沢のホテルへ先入りし、朝までに仕上げると連絡があった。
金沢駅で集合し、お手配いただいた車で七尾の日蓮宗「本延寺」へ向かった。海沿いに走る車からは冬の日本海がうなりを上げている。これほど荒々しい能登の海を初めてみた。この道を等伯は、京に向かい上って行ったのだと思い、作者に云ったが無言で荒波をみているばかりだ。
四百九回の法要は、本延寺ご住職の読経と鄙びた奉納演舞、そして本延寺ご住職の法話が始まった。
等伯忌法要のご解説などのお話の後、ご自身の近況のお話からご自身が末期がんで治療もできぬほど進行しておられると澄み切った声でお話しされた。暫く周囲は声も出ない。ご住職のご精進の深さが淡々とした声と凛とした表情に現れている。子息の副住職をご紹介されたお顔は晴々と輝いているようだった。
加賀屋さんへ入り、等伯会の皆様との懇親会が始まるまでの暫くの時間、今日ばかりは締切りもひと段落した安部と、天皇陛下もお泊りになる「浜離宮 迎賓室 天游」で、広すぎてなんだか落ち着かないと言いながらも、今年のスケジュールやご死生についてなどめずらしく長話した。
夕刻からの懇親会は和やかに始まり、長谷川等伯画伯の顕彰と能登七尾の発展を祈念して会の歓談が続いた。
妙成寺の貫主様がお隣となって、5月6日の五重塔祭りへお誘いいただいた。安部とお伺いするとお約束させていただいた。
この会にもご参加されていた本延寺ご住職が妙成寺の貫主様の側へ座りお話を始めた。この話聞いてはならじと背を向けた。
だが、貫主様の強いお声とご住職の小さく笑う声ばかりは耳朶の奥に残らずにいられなかった。
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【スタッフ後記】
「浜離宮 迎賓室 天游」で安部と森が話したという今年のスケジュールや、
死生観についての話は、今度折を見て聞いてみたいです。