「ロートレック展」 三菱一号館美術館
※事務所代表 森のfacebookより転載
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12月28日 先日、打合せの後東京駅近くの「三菱一号館美術館」へ向かった。
19世紀末パリ、ベル・エポックの時代、ロートレックを代表とするグラフィック・ポスター展を参観した。
何時も感じるのだが、この時代から溢れ出る輝きは時代を越えて圧倒されてしまう。現代に失われた命の滴りが確かにあるのだ。
湧き出すような新しい感性が、パリの路地から一斉に飛び出してきた時代だ。
何とも酒臭く猥雑なエロティシズムと共に、側溝に漂うドブの匂いと神に跪く祈りとが混沌とテーブルに並んだ時代。
アルチュール・ランボーが地獄の季節で「また見つかった、何が、永遠が、海と溶け合う太陽が。」と叫んだ時代。
民衆のエネルギーが路上に並び、腐敗し饐えた匂いから浮かび上がる蓮の華が、夢の世界へ昇華させる芸術が溢れだした時代。
最も人間らしい混沌の時代の先駆け、リトグラフという新しい技術に押し出されたグラフィックアートには現代にも通じる諧謔と叫びと、そして祈りが印刷された紙の上に刻まれていた。
早くも陽が陰り始めた中庭で、珈琲を両手で抱えて赤レンガの美術館を見上げながら、ムーランギャレットの踊り子の足の高さを思い出し少し笑った。
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【スタッフ後記】
私個人的にずっと気になっていた展示だったので、
この記事をみて絶対に行こうと気持ちを固めました。
2018年1月8日までに必ず……。