新館脇のカフェのパラソル越しに庭が広がっている。

正面の茶室の背中越しに早咲きの山桜が薄い春に色づいている。

誘われて日本庭園の案内に進んだ。

庭の其処ここに膨らみ始めた木々の芽が色をこぼしていた。

雑木の小山から見下ろした池面が輝いている。

都会の騒音さえ山の騒めきのようだ。

思いのほか広い庭園を彷徨い、池を渡る橋から朝香宮邸を望んだ。

湖面が庭の木々から朝香宮邸を越え、遥々と澄み切った青空を映し込んでいる。

鯉が泳ぐ揺らめきが、春の移ろいとともに揺蕩っていた。

気づけば既に日は陰り、子供らの声も途絶えた。

 

庭園美術館　－庭園・茶室－

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＜スタッフ後記＞

花々が咲いているのを見ると改めて春が来たとほっこり。

鯉がゆったりと泳ぐ姿は、春の訪れを喜んでいるようですね。