庭園美術館(2)岡上淑子展<事務所代表 森のfacebookより転載>
※事務所代表 森のfacebookより転載
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アール・デコの香り漂う朝香宮邸に岡上淑子氏のフォトコラージュ作品が部屋ごとに振り分けられている。時代を経た落ち着きのある部屋に、モノクロの作品が溶けこんでいた。シュールレアリスムの混沌と幻想が切り裂いたフォトコラージュに、立ちすくみ見つめるしかない。
青春の一時代、図書館の奥深くに籠り、部室の裸電球の下読んだアルチュール・ランボー詩集がよみがえっていた。
また見つかった、
何が、永遠が、
海と溶け合う太陽が。
「地獄の季節」の一節をつぶやいていた。
青春の迷走と熱気が体を走り抜けていく。
個々の作品は語るまい。ただ、「幻想」「沈黙の奇蹟」この二作品が今も心に強く残っている。
展示は新たに併設された新館においても展示されている。本館と違和感のない外装ではあるが、展示室は近代的な内装で設えられている。
参観に時間を取られ昼食が遅くなり、別館のイタリアンレストランは終わっていた。
新館脇のカフェでパスタランチをいただいた。中庭のパラソルの下、晴れ上がった空と中庭からそよぐ春の風が心地よい。
古の陰影に深く沈んでいた時間から、今ここに居ることを溢れる光が教えてくれた。
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<スタッフ後記>
展示している作品だけではなく、展示している建物や部屋にも芸術的・歴史的意味があって奥が深いですね。
パスタランチが美味しそうです。