-トノト-<事務所代表 森のfacebookより転載>
※事務所代表 森のfacebookより転載
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京都の洛北、ギャラリーの名である。
名の由来を聞くのを忘れた。
知人から紹介を受けて、先日訪れた。日差しは春の眩しさを増しているが、桜は今しばらくになるだろう。
古民家というほどは古くはない。だが、玄関のガラスの引き戸には時を経た香りがしていた。訪なえば、すらりとした青年が奥から顔を出した。
ギャラリー主催者の武秀律氏である。
オープンしてまだ四日だとうかがった。
最初の企画展は、土器作家の熊谷幸治氏作品“印文陶”と題した個展である。
土器の表面に多様な文様をつけ低温で焼しめている。土の肌に似た表情が、人の息にふれて幾分かぬくもりを持っていた。
奥の部屋の床の間に、鯉の土偶があった。
かつて住まう家族の遠い記憶が見えたようだった。
熊谷幸治氏の作品展“印文陶”は、忘れかけた古の陰影と、土の肌のぬくみを思い出させてくれる。
南北にガラス引き戸が晴々と明るく、少し懐かしくもある空間である。
光悦寺の紅葉道から常照寺の吉野門までわずか、にぎわいから遠い洛北のひと時を楽しんだ。
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<スタッフ後記>
鯉の土偶、すごくかわいいです。
オープンされてまだ4日とは思えない場の雰囲気。
これからさらに洗練されてゆくことでしょう。