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ロマンティクロシア展<事務所代表 森のfacebookより転載>

Date:2019/01/27

※事務所代表 森のfacebookより転載

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先日、渋谷Bunkamuraミュージアムを訪れた。「ロマンティクロシア展」である。

 

一人の女性の視線が気になっていたのだ。

イワン・クラムスコイ「忘れえぬ女」が展示会の華としてポスターやパンフに使用されている。

凛とした気品と見下ろすような女性の眼差しに、若い男の憧れを感じている。

青年時代の甘美な憧れと苦い思い出とがよぎり、心の内に物憂さが湧き上がる。

そう、あの時の眼差しと同じだ。

忘れえぬ人との言葉もない別れの時の、心に凍り付いた眼差しなのだ。

遠い思い出がここにあった。

 

・アブラム・アルヒーポフ「帰り道」ロシアの大地に流れる雄大な時間を感じさせる。大地の先の薄紅は、故郷の懐かしさだ。戻り道の安らぎを馬車に乗る人の背中に感じていた。

・アレクセイ・サブラーソフ「霜の降りた森」早暁の大地に霜が降り、冬の始まりがそこまで来ている。

・イワン・シーシキン「雨の樫林」小雨に霞む樫林の道が泥濘んでいる。人は足下に気を取られながらも森の奥の薄明かりに向かって歩いてゆく。木々もは緑を深くし、夏はもうすぐそこに来ている。

・イワン・シーシキン「森の散歩」光あふれる夏のロシアの森に、人々が浮き立つように散策する。恋人たちの囁きも聞こえて来そうだ。

・イワン・シーシキン「正午・モスクワ郊外」秋の実りの頃、ロシアの空は遥かに高く入道雲が乳白の色を強くしている。この台地にドストエフスキーの面影は遠い。

・ウラジーミル・マコフスキー「ジャム作り」そう、この風景は二人が出会った時も、子供らが巣立った今も、そして明日からも何も変わりはしないのだろう。

・ワシリー・パクシェーエフ「樹氷」何もかもが透明に凍り付いた森では、朝の輝きでさえ白い吐息と共に凍り付いている。この道をドクトル・ジバゴの橇が疾走して行ったのだろうか。雪に閉ざされた館は、多分この森の向こうなのだから。

 

いつか、シベリア鉄道でサンクトペテルブルグへ行きたい。

かなわぬ夢を見ている。

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<スタッフ後記>

私は、ワシリー・パクシェーエフ「樹氷」 が一番印象に残りました。

雪国出身者の私に冬の寒さと美しさを思い出させてくれる、素晴らしい絵画だと思います。