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夏の名残と藤田嗣治展<事務所代表 森のfacebookより転載>

Date:2018/09/11

※事務所代表 森のfacebookより転載

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9月8日 

週末、都内で夕方より会食の予定があり少し早めに自宅を出て、東京都美術館へ向かった。

気になっていた若い画家さんが院展で初入選されたそうで、その作品を観るとともに藤田嗣治展を参観した。

上野公園へ上がり、国立博物館から見上げた雲は、夏の名残の雲が高く張り付いて動かない。

ただ、木々の吹きすぎる風は、夏の吐息を忘れたように乾いていた。

 

若い画家、能登真理亜さんの作品「白南風」、写真はない。若々しい透明感が清々しい。やつでの青が揺れてはいるが迷いが濁りを交えてはいない。隠れた自転車が彼女の旅立ちを暗示してもいるようにも感じた。これからの彼女の旅を見守っていたいとも思っている。

藤田嗣治の印象は、アッツ島玉砕であった。おかっぱ頭にチョビ髭で奇をてらう画家。国威高揚と狂気の戦場を描く画家とのイメージが強かった。

「バラ」という作品を観て印象が変わった。

それぞれのバラはか細くそれぞれの姿のままに咲いている。孤独の中に咲くバラが、白い壁に薄く陰を落としている。美しくも悲しいバラだった。

 

「花を持つ少女」アンバランスな目はそれぞれの視覚をもち、少女の心の揺らめきを感じた。

作品に漂う深い孤独を感じ、ここではない何処かを藤田は終生求めていたように思えてならなかった。

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<スタッフ後記>

はじめて拝見した作品でしたが、引き付けられるものがありました。

不安定さに目が行ったかと思えば、写実的な表現に目がいってしまう。

直に自分の目で見てみたいと感じさせてる作品です。