芝桜
※事務所代表 森のfacebookより転載
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2月10日
ここ数日は寒の戻りもなく、小春日和の陽が頬に心地よい。
友人は次作品の取材で東北八戸から下北半島を経て青森、更に北海道へ渡る強行軍を遂行中である。できれば白い悪魔との出会いを体験したいと言っていたが、はたして尋常な寒さではないとの連絡があった。
取材先のホテルから送られてきたエッセイのゲラには、春の日差しに目を細めている写真が掲載されてはいたのだが。
九州の出身である私も多少興味はあるのだが手足纏になるので残念ながら同行は遠慮する、と言うことにしてはいる・・
散歩の相棒を抱えて小高い丘の梅の公園へ足を延ばした。
薄紫の芝桜が一面の枯れた杉苔の間から春を覗かせている。
梅の蕾もつかの間の陽気に顔を紅く染め始めていた。
ベンチに座り、私のコート中から降り立った相棒が春を嗅ぎ取るように鼻を這わせている。
幾重にも降り積もる日々の足跡は、行きつ戻りつ春の色を深めていくようだ。
遥か彼方に望む富士山も、寒の緩みか少し靄っていた。
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【スタッフ後記】
東京は厳しかった寒さが、ようやくひと段落したといったところです。
とはいえ、昼間は暖かくとも朝晩の冷え込みはまだまだ厳しく、布団から出るのが億劫な毎日です。
皆さまもお身体にはお気をつけ下さいませ。