MENU

最新情報

能登の祝から(4)<事務所代表 森のfacebookより転載>

Date:2019/07/19

※事務所代表 森のfacebookより転

------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

 

翌朝、友人と待ち合わせした場所へ向かったつもりだった。だが、思い込んで向かった場所は街の対岸にあたり呼び出しの電話に慌てた。
今回、友人に金沢を案内していただける事になったのだが、私の迂闊さが申し訳なかった。ただ、笑ってお許しいただいた。

最初に訪れたのは、浅野川近くの「泉鏡花記念館」だった。泉鏡花の名前はよく聞いてはいたが、幾つも読んでいない。覚えているのは「高野聖」くらいだが、幻想的で怖いという印象が残っている。
浅野川を渡り金箔工芸の賑やかな繁華街へ向かい、店の名は忘れたが金箔商品が並ぶ店の奥に、金箔の土蔵があった。内壁も一面金箔に覆われ、ライトに照らされた鈍色の黄金の怪しさが浮かびあがっていた。
中央に設えられた漆の椅子が戦国の織田信長を起想させる。怪しさが際立つ鈍色の輝きに、人が魅入られてしまうのは何故なのだろうか。
狂気の夢ほど乾きを呼ぶ。
黄金の幻想に暫く遊んでいた。
人酔いしそうな「ひがし茶屋街」を抜けると卯辰山がある。
山の高い壁に人家のテラスが見えた。純白のソファーが窓際にならび、人知れず足元の茶屋街や金沢の夜景まで楽しんでいるような気がして、少し羨ましく見上げていた。

泉鏡花記念館
 

 

-----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

<スタッフ後記>

金箔の土蔵、入っただけでも緊張してしまいそうです…。

それにしても、派手さだけではなく荘厳さも兼ね備えていて、金箔には不思議な魅力があります。